第7回:分科会「医療通訳の質を考える」研修団体の紹介

「多言語医療通訳講座」認定NPO法人IMEDIATAりんくう国際医療通訳翻訳協会
 医療機関にて訓練を受け実績を積んだ医療通訳者及び外国人サポーターから成る一般社団法人です。医師・看護師など医療の専門家と医療通訳者の連携で設立されました。2013年10月より英語、中国語、スペイン語での多言語医療通訳講座を実施しています。その大学や医療研修などに講師を派遣されています。
 IMEDIATAの強みはなんといってもりんくう総合医療センターの国際診療科での通訳現場があることではないかと思います。病院で通訳の経験を積むことで現場経験の豊富な通訳者を育成しています。また通訳養成講座ではりんくう総合医療センターの医療関係者が講師となるなど病院や医療関係者と連携をはかって事業を行っています。

 

「あいち医療通訳システム」医療通訳者ネットワーク東海
 医療関係団体、大学、県と県内全市町村では、「あいち医療通訳システム推進協議会」を共同で設立し、「あいち医療通訳システム」を運営しています。「あ いち医療通訳システム」は通訳派遣と電話通訳等により、外国人県民と医療機関との言葉の壁を取り除くことを目的としたシステムで、2011年10月から試 験運用を行い、2012年4月より本格運用を開始しています。現在67の医療機関への派遣を行なっています。


システムの内容
①医療通訳者の派遣【県内大学のご協力を得て養成した一定レベル以上の知識やスキルを持った通訳者で、英語・中国語・ポルトガル語・スペイン語・フィリピン語に対応】
②電話通訳【24時間365日対応で、①の5言語とハングルも可】
③紹介状等の翻訳業務
④多言語問診票などの外国人対応マニュアル【無料で利用可能】の作成

 ④の「医療機関等外国人対応マニュアル」は、外国人患者の対応に際しての各国文化の違いについての留意点や通訳時の注意点、医療機関の書類翻訳時の注 意、通訳時の注意点等、医療通訳の受け入れ方など医療通訳や外国人患者を受け入れる医療機関にとっても大変役にたつ情報が満載です。英語・中国語・ポルト ガル語・スペイン語・フィリピン語・韓国朝鮮語などでの同意書の翻訳例も掲載されています。是非一度見る事をお勧めします!!

「京都市医療通訳派遣事業」多文化共生センターきょうと
 京都では2003年より京都市、財)京都市国際交流協会と協働して京都市内4つの病院(京都市立病院、医仁会武田総合病院、康生会武田病院、京都桂病 院)へ英語、中国語、韓国朝鮮語の医療通訳派遣しています。年間の派遣件数は1500件程度、これまでの派遣件数は18000件の派遣を行っています。

 研修は年に1回医療通訳養成講座を実施しており、参加者を対象に通訳選考を行っています。選考後は3ヶ月間の病院実習を行っています。また、現任通訳者の研修も年1回受け入れ病院で医療者の協力のもと、行っています。現在、約20名の通訳者が活動しています。

 全国実践者会議前日の12/14(土)はこの事業の10周年を記念した、京都市医療通訳派遣事業10周年記念フォーラムを開催します。全国会議と合わせて、ご参加いただけたら嬉しいです。詳細


「岐阜県医療通訳育成事業」多文化共生センターきょうと
 2012年、多文化共生センターきょうとが岐阜県の委託を受けて、ポルトガル語、フィリピン語、中国語の医療通訳者の養成を行った事業です。54時間の研修を行い、その後約3ヶ月間岐阜県内4つの医療機関で通訳実習を行いました。この事業で行った研修をもとに、「効果的な医療通訳者育成プログラムの開発とその評価 -事業実施から見えた医療通訳者の育成とコーディネイト・事業運営に必要な視点-」というレポートを発表しています。


 事前にそれぞれの研修概要・事業概要について資料を作成していただき、当日はその資料比較しながら、各研修担当者たちがパネル形式で議論します。

 事業紹介にとどまらない、今後どのような通訳研修が必要なのか、その方法や内容、育成における課題などについて熱い議論が飛び交う分科会になるのではないかと思っています!


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